2025/01/09
インフルエンザの報告数が、現在の方法で統計を取り始めた1999年以降、最も多くなっているそうですね。
1医療機関あたり報告数の全国順位TOP5は、大分、鹿児島、佐賀、熊本、宮﨑で、九州が独占しています。
ただしこのNHKの報道は、昨年第52週(12/23~29)のデータを報じたもので、最新のものではありません。
たとえば熊本の報告数は、昨年は92.56でしたが、今年第1週(12/30~1/5)では47.87に下がっています。
当院での陽性診断数も、昨年の最終診療週(12/22~28)は132で、今年第1週(1/4~9)は77でした。
もしかすると熊本など九州では、インフルエンザの流行は年末年始で峠を越えたのかもしれません。
ですが全国的には、おそらくいまがピークなのでしょう。
そんな中で「抗インフルエンザ薬」の製造が追いつかず、一部の薬が供給停止となっています。
こんな時、お役所はいつも医療機関や薬局に対して、過剰な薬剤発注を控えるようにと言い始めます。
あのね、何が過剰なものですか。こちらはいつも、流行状況を踏まえて計算して発注をしているのです。
むしろそっち(国やメーカー)が、見通しを誤ってるだけじゃないですか。
とは言え、自分で処方しといて言うのもナンですが、日本の抗インフルエンザ薬の使用率の高さは異常です。
インフル即タミフル、という安易な治療選択は、そろそろ見直した方が良いかもしれません。
たしかにタミフルは、肺炎などの重症合併症を減らしたという報告もあるので、高齢者には処方したい薬です。
しかし基礎疾患の無い方に対しては、熱が1日早く下がる程度の効果に過ぎません。
すでに熱のピークを越えた方への処方が、どれほど意味があるのか、もしかすると無意味かもしれません。
なので病状経過等を考慮して、せめて処方日数を減らしたいところですが、なかなか賛同を得られないのです。