「DPT」と「DTaP」と「Tdap」

百日咳を予防するためのワクチンをまとめてみます。現在国内で使用できるのは、以下の3つのワクチンです。

 

・3種混合ワクチン:ジフテリア(D)+百日咳(P)+破傷風(T)を予防するワクチン。「DPT」

・4種混合ワクチン:3種混合に不活化ポリオワクチン(IPV)を混合。平成24年に導入。「DPT-IPV」

・5種混合ワクチン:4種混合にヒブ(Hib)を混合。昨年4月導入。現在の標準ワクチン。「DPT-IPV-Hib」

 

標準的には1歳時に定期接種を終えるため、学童期以降の百日咳抗体の低下がいま問題となっています。

そこで、就学前(年長時)と11~12歳ごろに、3種混合ワクチンの追加接種を行う事が推奨されています。

その際に用いるワクチンとして4種や5種は認められていないので、3種混合を接種することになります。

 

さて3種混合(DPT)です。その成分について、理解を深めるために少し踏み込んでおきます。

 

日本では、1950年代から「DP」の2種、60年代からは「DPT」の3種として、定期接種が行われていました。

ところが「全菌体(whole cell)百日咳ワクチン(wP)」成分が原因で、70年代に重篤な副反応が起きます。

以後接種率が低迷しますが、80年代に「無細胞(acellular)ワクチン(aP)」が導入され、現在に至ります。

 

よって今使われているDPTは、「aP」含有であることを強調するため、また順序も変えて「DTaP」なのです。

さらに欧米では、副作用軽減のために「D」と「P」の成分を減らした「Tdap」ワクチンが使われています。

成分を減らしたことが分かりやすいように、小文字が使われています。

日本国内でも、輸入した「Tdap」を接種している医療機関もありますが、正式には推奨されていません。

当院では、「DTaP」つまり従来の3種混合ワクチンを、年長時から大人まで、幅広く使っています。

「D」も「P」も大文字なので、局所反応などの副作用が強いかもしれませんが、安全性は認められています。

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