2025/04/05
「RSウイルス感染症」は、近隣の保育園やあちこちで、いまも散発しています。
2歳までにほぼすべてのお子さんが感染する病気ですが、肺炎や細気管支炎を起こしやすところが問題です。
毎年約3万人の乳幼児、とくに生後1~2カ月の赤ちゃんが、RSウイルス感染症で入院治療を受けています。
そこで赤ちゃんへの免疫を付けるために、妊婦に接種するワクチンが開発され、日本でも昨年承認されました。
妊娠24~36週の妊婦に接種して、抗体が胎盤を通して胎児へ移行するのを期待します。
商品名は「アブリスボ」。各医療機関での任意接種料金は、3万円台のところが多いですね。髙いです。
基本的には妊婦専用のワクチンなので、当院ですぐに取り扱う予定はありませんが、その検討はしています。
RSウイルス感染症はまた、高齢者の呼吸器感染症としても重要で、こちらは2年前からワクチンがあります。
商品名は「アレックスビー」。任意接種料金は2万5千~3万円。当院でも近いうちに接種を始めるつもりです。
いずれのワクチンも、すでに対象者への助成を行っている自治体があります。すばらしい取り組みですね。
こういった予防接種予算には、各自治体でかなり温度差があります。残念ながら熊本市はいつも低調です。
最近では、静岡県の袋井市が、妊婦用RSウイルスワクチンの接種費用の半額を助成すると報じられました。
袋井市と言えば、じつは私は毎年寄付(ふるさと納税)をしていて、返礼品にメロンをいただいています。
私の寄付が、地元ではなく他県のお子さんの健康に寄与しているのだとすれば、なんだか複雑な心境です。