内科

生活習慣病

高血圧・糖尿病・高脂血症をはじめ、高尿酸血症(痛風)や肥満、睡眠時無呼吸症候群の、治療や生活指導にも、力を入れています。
血圧や体重、血糖値や脂質の数値に目標を定め、定期的なチェックを行いながら、心筋梗塞や脳卒中などの発症予防を重要な目標としています。
すでに心筋梗塞・脳梗塞後の方においては、地域の拠点病院と連携を図りながら、再発予防のために一段と強力な治療を提供してまいります。
健診などで異常値や要精査などの指摘を受けた方は、その検査結果をお持ちください。すぐに治療が必要なのか、生活習慣の改善で経過を見られそうかを判断し、必要十分な医療を提供します。
平日の受診が難しい方には、土曜・日曜の診療予約枠を確保して、定期的な通院が滞らないようにいたします。

高血圧症

概要

血圧とは、血管(動脈)内部を流れる血液の圧力のことです。
心臓から血液が押し出されて血管が張りつめたときの最高血圧が「収縮期血圧(上の血圧)」、心臓が血液を拍出してないタイミングで血管が緩んでいるときの最低血圧が「拡張期血圧(下の血圧)」です。
おもに血管の壁が動脈硬化によって弾力を失うことによって、血圧が高くなります(高血圧)。
その動脈硬化の原因には、糖尿病や高脂血症など、他のさまざまな生活習慣病がかかわっています。また血圧が高いことそのものもまた、動脈硬化を進行させます。
高血圧は全身の臓器に障害をもたらし、脳卒中や心筋梗塞、腎障害などの原因となります。

検査

まずは、日々の血圧測定です。家庭で毎日朝晩定期的に血圧を測って、血圧手帳に記録しましょう。これは診察時に測る血圧よりもずっと重要な情報です。
生活習慣の改善はうまくいっているか、降圧剤の種類や用法用量は適切か、季節や曜日や時間帯等による変動はないか、血圧手帳を一目見ればわかります。
高い血圧の血管に血液を押し出そうとする心臓は、その圧力の高い仕事を続けるうちに、筋肉隆々となることがあります(心筋肥大)が、これは心筋そのものにとっては、循環が悪くなる不利な状態です。心電図検査や心臓超音波検査でその程度を調べたり、変化(改善や悪化の具合)を観察することができます。

治療

減塩は、とても有効な高血圧対策です。塩味の薄い食事は味気ないと感じるかもしれませんが、やがて慣れます。漬物や味噌汁などもできるだけ控えます。
血圧の急上昇を防ぐために、とくに冬は環境温度の変化に気をつけましょう。また便秘でいきむことの無いよう、便通の改善も重要です。
肥満傾向(BMI25以上)のある方は、ぜひ減量しましょう。適度な運動は、すべての生活習慣病に共通するもっとも重要な対策です。
喫煙は論外です。すべての治療を台無しにします。ぜひ禁煙しましょう。血管に限らず全身の臓器にとって、禁煙することのメリットは計り知れません。
これらの生活習慣の改善と並行して、早く血圧を正常化させるためには、薬物治療も重要です。
「薬を飲み始めたら一生やめられない」と心配する方もいらっしゃいますが、「薬を飲んでからだを一生守り続ける」と考えてみてはどうでしょう。

糖尿病

概要

食物の炭水化物を消化して吸収された糖分(ブドウ糖)は、血液の中を流れ、インスリンの働きによって細胞の中に取り込まれ、その細胞のエネルギー源となります。
インスリンは膵臓が分泌するホルモンです。インスリンの働きが低下すると、細胞に取り込まれずに血液中を漂い続けるブドウ糖の濃度(血糖値)が異常に上がります。
肥満や運動不足などが原因の、生活習慣病としての糖尿病は、インスリンが出にくかったり効きにくくなっている状態です(2型糖尿病ともいいます)。
血糖値が上がると、尿量や排尿回数が増え、ノドが渇きます。
細胞に糖が取り込まれにくいので、疲れやすくなり体重が減ります。
糖尿病の問題は、高血糖によって全身の血管を傷めることによる合併症です。
細い血管に対する障害には、網膜症(失明の危険)・腎症(透析の最大の原因)・神経障害などがあります。
大きな血管に対しては動脈硬化を引き起こし、脳卒中・心筋梗塞・下肢動脈狭窄(下肢切断)などの原因になります。

検査

血糖値:空腹時血糖のほか、当院ではブドウ糖負荷試験の手軽な代用として食後2時間血糖値などを検査します。
HbA1C:過去1〜2カ月の血糖値を反映するので、一時的な血糖変動を除外した、糖尿病の状況がわかります。

治療

糖尿病は治りません。しかし、その症状や合併症を防ぐ方法はあります。まず重要なのは、食事療法と運動療法です。
肥満や高脂肪食、運動不足などの生活習慣に問題がある場合は、その改善が第一です。体重は自宅で毎日測定して記録します。
とくに間食(甘い物)を控え(あるいは完全にやめ)、1日3食の中で糖質(炭水化物)を摂りすぎないように注意します。
有酸素運動を継続的に行う習慣をつけます。筋トレと組み合わせれば効果が上がります。
食事療法と運動療法では血糖がうまく管理できない場合は、内服薬(経口血糖降下剤)を使うことになります。
これらの薬物は、状況によっては血糖を下げすぎる(低血糖)ことがあり、とても重大な副作用です。
薬の飲み間違いを防ぐほか、風邪や胃腸炎やその他の体調不良時の服薬については、とくに注意が必要です。
血糖降下剤でも管理ができない場合は、インフリン療法が必要となります。
当院では、インスリン療法の導入(開始)は専門病院にお願いし、その安定期のフォローは当院で行っています。
GLP-1受容体作動薬については、他院等で処方を開始された方の継続時のみ、当院で処方を行っています。

脂質異常症

概要

血液の中には、さまざまな種類の「あぶら(脂質)」が、流れていますが、このうちとくにコレステロールと中性脂肪の量が異常値になることを、脂質異常症といいます。以前はこれを高脂血症ということもありました。
血液中の脂質が多い状態が続くと、血管の壁の中に脂質がたまって動脈硬化の原因となるばかりか、破れて血管が詰まりやすくなる原因となります。
コレステロールのうち、血管壁にたまろうとする働きのあるものがLDLコレステロール(悪玉)、その反対に血管壁を改善する働きをするものがHDLコレステロール(善玉)です。
したがって、LDLが多いのも、HDLが少ないのも、どちらも健康を害する脂質異常ということになります。
血液検査では、総コレステロールだけを調べたのでは、悪玉・善玉の詳細がわかりません。

治療

他の生活習慣病と同様に、食事と運動の習慣を見直すことから始めます。もちろん禁煙は必須です。
肥満があれば、毎日の体重を測ってグラフにして、減量を目に見える形にするのが効果的です。
動物性脂肪を摂り過ぎないことが大事だと昔から言われますが、極端な節制は良くありませんし長続きもしません。例えば鶏卵は、毎日1個程度は食べても構わないと言われています。
青魚などに多く含まれるオメガ3脂肪酸(EPAやDHAなど)が脂質異常改善効果があることが知られていますが、青魚嫌いの方は、サプリで摂る方法もあります。
それでも十分に改善しない場合は、薬物療法を導入することになります。
これも「一生飲み続けることになるんでしょ?」と心配する方が多いですが、そんなことはありません。ですが、体質を改善させないままで休薬すれば、脂質の数値がまた上がります。
脂質異常症に限らず、どの薬にも副作用を起こす可能性があります。十分に納得して服用していただけるよう、処方する際には必ずご説明します。
また、定期的な血液検査も必要です。これは、薬物治療が十分か不十分か、あるいは不必要かを調べると同時に、副作用の発見にもつながります。当院では、数値が安定している方は、年に2〜3回程度のチェックをしています。

高尿酸血症

概要

血液中の尿酸値が高い状態です。男性に多い疾患ですが、閉経後の女性にもみられます。
尿酸の結晶が関節などにたまって炎症を起こし、激痛の痛風発作を起こすことがあります。尿路結石や動脈硬化を起こすこともあります。

治療

第一に、食生活の改善が必要です。尿酸の原料となるプリン体を多く含む食品は、食べ過ぎないようにしましょう。
必ず控えるべきなのは、レバーや干物などです。ビールでも他の食材でも、摂り過ぎればプリン体の摂取量は多くなります。
運動は重要ですが、筋トレは逆に尿酸値を上げる場合があるので要注意です。尿酸排泄のためには、水分を十分摂ることに留意しましょう。
薬物治療は、もしも痛風の痛みがある場合は、それが鎮まったあとで開始します。
血中の尿酸値を下げる薬は何種類かあります。尿酸値や腎機能・肝機能等を考慮して薬を選び、効果を判定しながら続けていきます。
尿酸値が下がったからといって関節の尿酸血症がすぐ消えるわけではないので、しばらくは時々痛風発作が出ることがありますが、尿酸を下げる治療が無意味なのではありません。

循環器疾患

成人の心臓病も子どもの心臓病も、当院で診療を行っています。
心電図検査に加えて、24時間心電図検査は院内で速やかに解析を行い、不整脈や狭心症の治療に繋げています。
心臓超音波検査・頸動脈超音波検査は、専任の心臓専門の超音波検査技師(非常勤)が担当しています。
高度な特殊検査や治療などは、熊本赤十字病院や熊本市民病院と連携しています。

そのほかの疾患

風邪や胃腸炎などの急性疾患、帯状疱疹や口内炎、気管支喘息や睡眠時無呼吸症候群などの診療を行っています。
インフルエンザや新型コロナウイルス感染症などの発熱外来にも対応しています。

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